ヨーグルトの菌の種類と効果

ヨーグルトの菌の種類と効果

乳酸桿菌(Lactobacillus)

・ガセリ菌SP株(L.gasseri):長期間腸内に滞留することで、脂肪の吸収を抑制することが知られています。
・LG21乳酸菌(L.gasseri OLL2716):胃炎や胃潰瘍の原因菌と言われるピロリ菌の増殖を抑える効果が注目されています。
・ブルガリクス菌(L.bulgaricus):腸内の善玉菌を増やす効果が高く、整腸作用が強い乳酸菌です。タンパク質を栄養源として利用する機能が低いので、その機能の高い乳酸球菌とともに商品化されることが多いです。
・ラクトバチルス・ブルガリクス菌 OLL1073R-1(L.bulgaricus OLL1073R-1):EPSと呼ばれる細胞外多糖類の生産能力が高く、免疫力の向上に有効であると言われています。
・ラクトバチルス・カゼイシロタ株(L.casei Shirota):日本で最も古くから使われている乳酸桿菌で、細胞外多糖の生産力が強く、整腸と免疫向上作用が知られています。
・LGG菌[ラムノーサス・GG株](L.rhamnosus GG):酸に強く、生きたまま腸に到達する能力の高い乳酸菌として知られています。

 

ビフィズス菌(Bifidobacterium)

・ビフィズス菌(B.longum):赤ちゃんの排便から分離された菌で、主に大腸に存在します。
・ビフィズス菌BB536(B.longum BB536):こちらも赤ちゃんの排便から分離された菌で、酸素に強いビフィズス菌として一躍有名になりました。整腸作用が強く、アレルギーの緩和にも一役買っていると報告されています。
・高生存ビフィズス菌 BE80(B.animals subspecies lactis DN-173 010):酸に強く、整腸作用が強い菌として知られています。

 

乳酸球菌(Streputococcus、Lactococcus、Enterococcus)

・サーモフィラス菌(S.thermophilus):乳酸桿菌であるブルガリクス菌の成長を助け、腸内の細菌のバランスを保つ働きがあります。
・フェカリス菌(E.faecaris): プレバイオティクスで有名になった乳酸球菌で、免疫力を高める効果が強いと言われています。菌を集めて殺菌したものが単独でプレバイオティクスサプリとして商品化されています。
・クレモリス菌(L.curemoris):カスピ海ヨーグルトと呼ばれ、一時期家庭で植え継いで食べられたヨーグルトに含まれている乳酸球菌です。細胞外多糖が特に豊富で、まるでスライムのような弾力性のある粘り気があるヨーグルトになります。免疫力を高める作用があると言われています。フィンランドでもこれに似たヨーグルトがあります。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクス

すべてのヨーグルトに共通しているのは、乳タンパクと乳糖を原料に、乳酸菌が増殖してできるものです。その過程で、乳酸が作られ、それに伴って、乳タンパクが固化してドロドロになったものです。

 

従って、ヨーグルトの機能や質は、使用する乳酸菌によって大きく左右されます。

 

ヨーグルトに使われている乳酸菌は、大きく分けると、乳酸桿菌(棒状の菌)、乳酸球菌(球場の丸い菌)、ビフィズス菌(Y字型の菌)の3種類に分けられます。
乳酸菌は、酸素がなくても増殖できる嫌気性菌という種類ですが、そのなかでも酸素があると増殖できないタイプが多いのがビフィズス菌です。

 

一昔前は、機能性の高い乳酸菌は、乳酸桿菌とビフィズス菌が主で、乳酸球菌は一部の菌に効果が認められているだけでした。しかし、乳酸球菌の一部には、ヨーグルトの酸味のカドが取れて丸みのある穏やかな酸味になるため、味の調整用に複合して使われることもあるというのが特徴的でした。

 

乳酸菌の効果は、ちょっと前までは、プロバイオティクスといって、生きたまま腸内に到達し、腸内に生息する菌のバランスを調整する働きが中心で、

 

排便をスムースにする整腸作用
老廃物(余分な脂質など)の排出によって、脂肪の吸収抑制、
免疫力の向上による、感染症や毒素に対する抵抗力の強化

 

が挙げられていました。

 

近年では、プレバイオティクスといって、生きた菌でなくても、乳酸菌に含まれている成分を体に補給することで、腸内の善玉菌の増殖を助長して、腸内の菌のバランスを調整する機能のあることが明らかとなりました。
これによって、乳酸球菌の機能も見直されるようになってきました。

動物性乳酸菌と植物性乳酸菌

最近、「植物性乳酸菌だから腸まで生きたまま届く」といったフレーズで話題のヨーグルトが増えてきました。植物性乳酸菌と動物性乳酸菌はどこが違うのでしょうか?

 

ヨーグルトという商品が世に出た最初の頃は、「赤ちゃんの腸内から分離された」といったものが圧倒的に多く販売されていました。

 

これらは、動物性乳酸菌と呼ばれるものです。赤ちゃんの腸内という恵まれた環境にいた乳酸菌ですので、比較的環境の変化に弱いとされており、ヨーグルトにして食べても、なかなか腸まで届かないと言われていました。

 

一方、漬物などの酸味のある野菜を食べる習慣というのは、いろいろな国で存在しますが、これらも乳酸菌の働きで酸味がついているものです。これに関与する乳酸菌は、植物性乳酸菌と呼ばれている種類です。

 

外界の様々な悪環境でも生きていける抵抗力のある乳酸菌が多く、これを使ってヨーグルトをつくると。胃酸に負けることなく腸まで生きてたどり着ける強い乳酸菌である可能性が高いということで、各社が競い合うように探したのが始まりです。

 

人の消化器の能力は、人それぞれ!100人いれば100の環境が存在します。必ずしも、耐酸性の強い植物性乳酸菌でなければ生きたまま腸には届かないというわけではありません。
現実に、赤ちゃんの腸内には、外界から入ってきた乳酸菌が生きたまま、腸内細菌として存在しているわけですから、動物性乳酸菌でも生きたまま腸まで届くことは可能です。

 

ただ、成長した人の腸内にはいろいろな細菌が住み着いていますので、乳酸菌が定着しにくいという問題が有り、少しでも生きたままの乳酸菌が腸まで届いたほうが、よりよい環境になるということで、植物性乳酸菌の方が動物性乳酸菌よりはその確率が高いということです。